通訳案内士という仕事に就いて思ったこと

私が通訳案内士(当時は通訳案内業)国家試験に合格したのは、平成3年のことなので、もう27年前のことになります。その直後から仕事をしているので、あれこれ27年の歳月が経っています。ガイドの仕事の他に本業があったので、3年務めたら辞めるつもりでしたが、なんと27年もガイド業を兼職として続けています。

それだけ長く続けられている理由は、とにかくこの仕事が面白いからだと思います。もともと英語が好きで英語の教員をしている頃、この仕事の存在を知って試験を受けてみることにしました。最初の試験では一次試験(筆記試験)は受かったものの二次の面接で落ちてしまいました。理由も簡単で、話すことには自信がなかったからでした。こんなことを後輩たちに話すと嘘だろうと言われますが、本当のことです。二次試験も二回目でやっと合格。

私がこの試験に受かった頃の合格率は、わずか3%~4%でした。当時は司法試験、公認会計士と並んで3難関国家試験のひとつとされていました。合格率から見てもなるほどとうなずけました。すでに英検1級には合格していたもののそれ以上の難しさだったと記憶しています。通訳ガイドの予備校に通って二次試験の準備を徹底してやりました。1回目の二次試験の失敗の理由もわかりました。予備校の対策授業も為になったのですが、そこでできた仲間と口頭試験の準備を徹底して行い、これが奏して合格につながったと思っています。

通訳案内士の仕事は、報酬を得て外国人客を全国津々浦の観光地などを案内する仕事ですが、そのためには日本の地理、歴史、政治・経済、文化など多岐にわたる知識が必要です。また、語学力やこういった知識や情報を持っていても通訳案内士に向かない人もいます。心身ともに健康でほがらかで短気でない人、世話好きでユーモアに富んでいる人ならこの仕事に向いています。詳しくは私のホームページにも紹介しているので、そちらをご覧ください。

なんといってもこの仕事の楽しみは、仕事を終えて帰り際にハグされて「とても楽しかった」「とても勉強になった」「また日本に来るよ」「もっと君の話を聞きたかった」などなどお褒めのことばを頂く時ではないでしょうか。また、そっとチップを握らせてくれる瞬間もこの仕事の冥利に尽きるのではないでしょうか。ガイドの講演会に呼ばれて話すときも同じようなことを言っています。

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