私が勧める英語の学習法 その1 語彙を増やすには

その1 語彙数を増やす学習方法

私が指導している高校受験生、大学受験生、英検受験者などの英語学習者から聞かれるナンバーワンの質問は「どうやったら語彙力を増やすことができますか」である。語彙数を増やす方法はいくつかある。それらを追って紹介しよう

 

学生たちの多くは、学校で先生から紹介された単語問題集、例えば「ターゲット1900」などを使って日々努力しているのが現状である。こういった学習方法は何もしないよりはましであるが、あまり効果のない。私はこの学習方法を無機的学習方法と呼んでいる。努力して覚えている割にはあまり効果がないからである。このことは生徒達も自ら認めている。英文を読む際になんとなく覚えてはいるが、読解に活かされていないのである。その場限りの暗記では、本当の単語力は身に付かない。ではどうするか、これから3つの方法を紹介していこう。

 

1つ目は、派生語を増やしていく方法である。それぞれの単語には、名詞形、動詞形、形容詞形、副詞形などの一つの単語から複数の派生語が存在する。それらの派生語を覚えて語彙数を増やしていくというのが、最初の方法である。例を挙げてみよう、respect (尊敬する)は動詞であるが、それぞれ形容詞形、副詞形も複数に存在するrespectful(丁寧な)、respective (それぞれの)、respectable (立派な、尊敬できる)は形容詞形である。また、respectively (それぞれに)は、受験生はご存じのように形容詞の語尾にlyを付けると副詞に転ずる。これだけでも少なくとも5語の派生語が学べる。

 

さらに、respectの同意語admire respectableの同意語honorablerespectiveの同意語 eachrespectfulの同意語politeを加えるとこれだけでも8語は増える。さらにこれらの反意語を加えたら楽に1012語は覚えられることになる。これらの単語をマインドマッピング(ある語を中心に四方に結び付けていく)をやれば、それぞれの語を関連づけて覚えられる。

 

2つ目は語源別暗記法である。例えば、接頭辞に[re]の付いている単語を挙げてみよう。[re]には再びという意味がある。reform「改善する」、restart「再開する」、 restore 「回復する」、repeat 「繰り返す」、reply「返信する」、reconfirm「再確認する」、refund「返金する」など動詞に限ってみたが、いずれも「再び」という意味を含む動詞ばかりである。これらの動詞にも、派生語がある。Reformの形容詞形は reformative 「革新的な」、名詞形はreformer「革新家」とreformation「改善、改革」など語源に関連した派生語を調べていくと限りなく出てくる。

 

3つ目は、宮田が一番勧める単語力強化の学習方法である。その方法とは読書によって単語を増やしていく方法である。この方法を私は有機的英語学習方法と呼んでいる。そう言っても、どんな本を読んだらいいのかといった疑問も当然起こるだろう。その場合、私は「自分の好きなジャンルの本をたくさん読みなさい」と生徒たちに勧めている。もし野球に興味があれば、ベーブルースなの伝記本を、また推理小説に興味があればコナン・ドイルのシャーロックホームズのシリーズ本やアガサクリスティーの本を読むのも語学力強化につながるでしょう。オックスフォードなどの海外の出版社が発行しているラダーシリーズ(易しい読み物から段階的に難しい読み物になっている英語の本)をぜひ読んでもらいたい。お茶の水や新宿の大手の本屋さんの洋書コーナーに行けば見つかる。そもそも語彙力強化には一夜漬けなどないということだ。好きなジャンルの本を楽しく読んでいくうちに本当の語彙力はついてくる。考えてみたまえ。国語が好きな生徒はたくさん本を読んでいる。同じことが英語学習にも言える。

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