通訳案内士としてガイドをやっていると、良い思い出もたくさんでてきます。
そのうちの一部をまとめました。
通訳案内士を目指している方への参考になればと思います。
Contents
ツアー終了時に丁寧に労をねぎらってくれること。
ツアー終了時には、私とドライバーさんはバスから降りて乗車されてことにお礼を言うことになっています。参加者の皆さんが降車されると、それぞれがなにがしかのお礼の言葉を言われて去って行かれます。そんなお礼の言葉をいくつか紹介します。一番多いのは、ツアーに参加してとても楽しかった、日本のいろいろなことが学べて勉強になった、ガイドさんのユーモアがとても面白かった、日本に来てとてもよかった、中で特にもうれしいことはは今までたくさんのガイドさんの話を聞いてきたが、今日のガイドさんの説明が一番良かったと思うといったお世辞に近い言葉でした。参加されたほとんどのお客さまが何かのお礼を言ってその日の労をねぎらってくださいます。
握手やハグをされること。
握手は今ではビジネスマンや若い人たちの間では当たり前のようになっていますが、ハッキングはまだ日本人にはなじみがないようです。西洋では親しい間ではごく普通の慣習となっています。まだ、駆け出しのガイドのころツアー終了時に初めてハグをされたときは戸惑いました。日本やアジアの国では、お辞儀は人にあったり、別れたり、お礼や謝罪するときなどに行います。西洋の握手に匹敵するものだと思います。どちらも、相手に対して敵意を持っていない振る舞いの一つです。西洋人のお辞儀はどこか私たち日本人には滑稽に映ります。神社に案内した時、参拝の仕方を教えますが、そのお辞儀の仕方はロボットのお辞儀みたいでとても面白いです。ソフトに腰を曲げることができないためです。
クリスマス・カードやギフトなどを送ってくれること。
クリスマス・シーズンになりますと、私がお世話したお客さまからクリスマス・カードやギフトを贈ってくださる方もいます。ツアー中に一緒に撮った思い出の写真を送ってくださる方もいます。そういった写真は楽しい思いでとしてアルバムに保存しています。どのツーにも写真スポットという場所があります。ガイである私は進んで写真を撮ってあげています。その場合、私も一緒に入ってくださいと言われることがよくあります。もちろん、喜んで参加しています。
Thanks Letter を送ってくれること。
私のツアーに参加されたかたからThanks Letter(感謝の手紙)が届くことがあります。
クリスマス・カードをもらった時と同じようにこれもまたうれしいものです。私が勤めている会社宛てに来るものもあれば、私の家に直接送ってくださる方もあります。会社に来た場合は、私のレターケースに入れてあります。絵葉書でくる場合は、会社気付になっていることもあります。サンクスレターには、もちろんガイドに対する感謝の言葉やツアーに参加した時の印象などがつづられています。私の会社では、お客さまの評価等でガイドのランクと報酬が決まることになっています。毎年、私の勤め先では桜の季節にお客さまにアンケートをお願いしています。そのアンケートの中にガイドを評価する欄も含まれています。
チップをもらえること。
日本ではまだチップ制度は一般的ではありませんが、欧米ではチップ制度が定着しているために、ツアーが終わった時点でチップをいただくことがあります。もらえる金額も10ドルから100ドルまでありますが、どちらかと言えば、日本円でもらうことの方が多いです。その場合、1000円がもっとも多く、中には1万円くださる方もありました。ドルでいただく場合は、10ドルが一番多く、中には100ドルをチップとしてくださったことも何度かありました。最初、100ドルを初めていただいたとき、そのお客さまに「10ドルの間違いではありませんか。」と問いかけたことがありました。チップも結構いただくものです。これもまた、ガイドならではの醍醐味かもしれません。
いろいろな国の情報がキャッチできること。
ガイドの仕事をしていますと、いろいろな国の方に出会います。聞いたことのない国があります。全く知らなかったその国の情報を教えてもらうことはガイドにとっては仕事上必要なことです。次に、同じ国から来られた場合、その情報を役立てることができるからです。好奇心を持っていろいろな人に接することはガイドの資質として不可欠です。
ある団体の貸切の仕事が入ることがあります。その場合は、その団体がどこの国の方たちか、どんな団体か事前にわかります。その団体にふさわしいガイドができるようにあらかじめ準備をしてツアーに臨みます。その団体が、自動車関係のグループであれば、日本の自動車産業界の情報を十分に調べ聞いてもらえる話をすることにしています。要するに、私はお客さまに関心のある話をすることにしているのです。
英語以外の外国語もただで学べること。
ガイドをしていて得するなと思うことの一つが、ただで様々な外国を学べるということです。私は外国語学習に興味を持っています。英語に限らず、ドイツ語、韓国語などにも大変興味があります。ドイツ語は英語の次にできる外国語ですが、まだまだ不十分です。いずれ近いうちにドイツ語で全国通訳案内士国家試験を受験するつもりでいますが。また、韓国語にも興味があって勉強しています。もし、本格的に勉強したら、短期間でマスターできるのがこの韓国語だと思います。ツアー中にこれらの国のお客さまとは当該語で話しかけています。つたない言葉ですが、コミュニケーションは取れていますので喜ばれています。ある意味で、無料で外国語一応教わっていることにもなります。
お客さまから自分の国に招待を受けること。
ツアー参加のお客様から自分の国に招待してくださる方がいます。私が初めてドイツを旅行したのは、ドイツのお客さまに招待されたのがきっかけでした。ツアーで出会ったこの70歳代のご夫婦は英語があまり上手ではなく、ドイツ語交じりの英語でした。私はある程度ドイツ語ができますので、ドイツ語で返したら、とても喜ばれました。このことがきっかけで、すっかり仲良くなり、ドイツに来る機会があるなら空き部屋があるから、そこを自由に使ってくださいと言われました。言葉に甘えて、ドイツに1週間滞在したうちの2日間はドイツ人のお宅にお世話になりました。滞在中は食事もご馳走になり、今でも忘れられない思い出となっています。もう一つは、ハワイ出身のアメリカン人からハワイに来るならぜひ訪ねてくるようにと言われて、ちょうどそのころホノルルマラソンに参加する予定でいましたので、私の子供と一緒に彼を訪ねてホノルルまで行ったことがあります。滞在中はハワイの観光地をご夫婦で案内していただきました。また、帰国する際には、食事までご馳走になり、ホノルル空港まで送ってくださいました。
民間外交官として誇りを持てる仕事であること。
なかでも、ガイドをやっていてうれしかったことを先に述べている項目からいくつか具体的に紹介します。私のツアー客で会った方が、海外から指名を受けてガイドを引き受けたことがありました。しかも3度もありました。アメリカのご婦人でしたが、私のガイデイングに興味を持たれ、遠く米国から今度また日本に行きたいが、いつ何のツアーを担当するのか教えてくれとメールがありました。日本人の中にも私のツアーに参加するのを楽しみにしている方が数名いましたが、海外から同じ方が3度も参加されたことは、私のガイド歴の中でも初めてのことでした。
まだまだこれでほんの一部ですが、また機会がありましたらご報告させていただきます。
そしてこの記事に関連して、失敗エピソード話もございます。
ご興味ありましたらぜひご覧ください。
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