2020年度の通訳案内士試験の合格率を過去のデータから予想

過去5年の英語と全語学(10か国語)の受験者数と合格者数

受験者数(人) 第一次合格者数(人) 第一次合格率(%) 第2次受験者数(人) 第2次合格率(%) 最終合格者数
(人)
合格率(%)
2019
英語
5,505 951 17.9 1,066 47.4 505 9.2
2019
全語学
7,244 1,119 16.0 1,287 48.0 618 8.5
2018
英語
5,754 1,450 25.2 1,355 43.1 584 10.1
2018
全語学
7,651 1,752 23.0 1,684 44.7 753 9.8
2017
英語
8,978 1,780 23.6 2,122 61.5 1,304 16.3
2017
全語学
10,564 2,185 21.8 2,616 63.0 1,649 15.6
2016
英語
8,427 2,600 32.9 2,966 67.6 2,006 23.8
2016
全語学
11,307 3,106 29.0 3,525 68.2 2,404 21.3
2015
英語
8,491 2,384 29.3 2,638 69.1 1,822 21.5
2015
全語学
10,975 2,778 28.5 3,047 69.5 2,119 19.3

                                            出典 日本政府観光局

 

合格率の推移をみると、2015年は21.5%、2016年は23.8%、2017年は15.6%、2018年は10.1%

2019年は9.2%となっています。2016年は23.8%でしたが、2019年には英語の合格率は9.2%まで落ち込んでいます。全語学でも2,016年に21.3%でしたが、2019年には8.5%まで下がっています。これにはいくつかの理由が考えられます。一つには2017年度までの合格率が高かったことへの反動、JFGはじめ通訳案内関係団体の反対や地域限定通訳ガイドの誕生などが考えられます。今後の合格率も10%は超えることがないように思われます。理由はコロナウイルスが収束するまでは訪日訪問客数の増加は望めそうもありません。したがって、本年度の合格者数はかなり絞り込まれる可能性が高いと思います。2020年度の全国通訳案内士国家試験は受験生にとって厳しい年になることが予想されます。

過去7年の訪日外客数(総数)の推移

年度 訪日客総数 対前年度比
2013年 10,363,904人 24.0%
2014年 13,413,467人 29.4%
2015年 19,737,409人 47.1%
2016年 24,039,700人 21.8%
2017年 28,691,073人 19.3%
2018年 31,191,856人 8.7%
2019年 31,882,049人 2.2%

日本政府観光局(JNTO)から引用

 

2015年まで伸びていた訪日観光客数も2016年から伸び率が減少し始めています。2019年には2.2%まで落ち込みました。そして本年2020年には、政府は4,000万人の訪日観光客数を見込んでいましたが、コロナウイルスの影響で過去に経験したことがないほど訪日観光客数が激減しました。本年の3月までの訪日観光客数は3,939,800人でした。4月は2,900人、5月は1,700人5月末までの累計は3,944,400人でした。4月、5月の落ち込みは前年度比で99.9%という信じがたい数値でした。国内においては非常事態宣言が全面的に解除され他県への移動も可能になりましたが、訪日外国人の数や国が指定されております。まず、今回コロナウイルスの患者数が比較的少なくほぼ終息に向かっている国からの研究者やビジネスマンが訪日することになっています。最後に一般の観光客が入国することになっていますが、今年中に一般の訪問客が戻ってくることは考えられません。観光業界が立ち直るにはこれから相当の時間が必要だと思います。

 

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